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  HIVをとりまくさまざまな専門家を招いて行う定員制の少人数のミーティングです。今後もいろいろなゲストを招いてい開催する予定です。感想文をご覧ください。

第3回 専門家と話そう 「開業医と話そう」(2007年10月23日)
HIVをとりまくさまざまな専門家を招いてお話しいただくこのシリーズの第3回目「開業医と話そう」が10月23日にネストで行われました。 今回のゲスト根岸昌功さんは、昨年まで都立駒込病院の感染症部長として日本でもっとも長くHIV診療をしてきた医師の1人。前職を退任して今年の2月にHIV診療のできる開業クリニック「ねぎし内科診療所」をオープンして半年たったいまお話しを伺いました。後半は参加者からのたくさんの質問にひとつひとつ丁寧かつ熱く答えていただき、充実した会となりました。(やじま)

★「参加感想文」
 今回、初めてネストにて開催の『専門家と話そう〜根岸Dr.』に参加させてもらいました。私は今年4月に感染の告知を受けて、月に1度地方の拠点病院に通っている未投薬の者です。告知を受けてから、ずいぶん悩み苦しみましたが、半年を経てようやく病気に向かう心構えができたので、意を決しての参加でした。
なにぶん、地方の拠点病院での受診のため、受けることのできる医療に差があるのではないか?と思い、それを聞くため参加させていただいたのですが、ネギシDr.より『医療(技)自体、地方も都会も差が ある訳でない』という話を聞き、とても安心できました。また、『Dr.を育てていくのは患者であり、HIVに係る症例が多いのは都会。ぜひとも色々な質問を主治医にぶつけて育てて下さい。』とのことでした。
 告知を受けた以上、病気について真摯に受け止め、前向きに勉強する必要があるのだと感じることができる機会でした。遠方からですが、また機会を見つけこのような勉強会に参加したいと思います。(ペンネーム: 咲楽)

★「開業医と話そう」根岸昌功先生のお話を聞いて
 「病気を見ずに人を見る」が根岸先生がご自分のクリニックを開業するに至った大きな理由だと伺った。その言葉通りの病院作りを目指していらっしゃるようにお見受けし、会合に参加できたことを嬉しく思う。
 担当医以外の意見を聞くことは大変勉強になる。根岸先生は技術的および心理的の両方の質問に非常に率直に答えてくださった。また処方箋は出すが薬そのものは契約した外の薬局で受け取らねばならないなど、拠点病院にはあって根岸先生のクリニックには提供出来ない部分も明確にしてくださった。しかし週末も開業しているので通院のために会社を休む必要はなく、クリニックで処置できない場合は慶応大学に紹介してくださるそうだ。どちらをいいとするかは個人差があるが、自分のライフスタイルに合わせて病院を選べるオプションを作ったこと自体が、すでに先生のクリニック開業の意義に適っていると思う。
 拠点病院の先生方は次から次へと診療をこなしている様子が伝わり、患者側も病気に対する療法以外の話を医師が聞いてくれるという期待は抱いていないと思う。しかし慢性病を抱える病人が前向きに生きてゆくには、その病気をどのように人生に取り入れるか、がとても大きなテーマであり、「病気」が、ではなく「自分」が人生の梶をとっているのだ、という意気込みを持てるようにになるまでが、長い道のりなのである。HIVと共存していけるようになることは簡単ではない。この心のケアの部分を大病院の医師に求めることは難しかろうと思うのだ。
 根岸先生のクリニックはただ話を聞いてくれ、定期的にお酒持ちよりの交流会を開くといった「長屋的」な病院を目指しているらしい。これは心強いことだ。町のお医者さんにHIVの診療を診てもらうことで拠点病院に通院する「大げさ」さが気軽なものになるという期待も持った。HIV以外の町の診療所が日常的に扱う病気―ただ風邪を引いただの、おなかが痛いだのといったものーを診てもらう近隣の患者も根岸クリニックを訪れる。たったそれだけのことがHIVという病気を心理的に「軽い」ものにし、我々の心を徐々に明るく(すでに明るい人はさらに明るく)してくれるのではないかと感じた。
 ただ根岸先生のお話でびっくりしたのはHIV患者を診るといったら不動産のオーナーが断ったという話だ。また悪性リンパ腫はHIV病状が安定しても発症する油断ならない病気らしい。この話を聞いて部屋は一瞬しーんと黙ってしまった。やはりどんなに治療法が進歩したとしても我々は恐い病気のひとつに冒されているのだな、と改めて思った。
 しかしその後の根岸先生の言葉に励まされた。「たかが病気」であるという言葉だ。誤解を恐れずに言ってくださった言葉だ。そして病気になって得る財産は「勇気」であり、医師の心を突き動かしているものは使命感ではなく、その患者の「勇気」だと仰っていた。とても嬉しい一言だった。その帰り道「たかが病気」をスローガンに、気楽に、そして逞しく生きていくことで、私のHIV人生を輝くものにしよう、と思った。(ペンネーム:冬)

第2回 専門家と話そう 「弁護士と話そう」(2007年3月16日)
 普段からHIV陽性者の相談を受けている永野靖弁護士(東京南部法律事務所)をおむかえしてお話をしていただきました。
 まず最初は法律にまつわる基礎のキから。「民事事件/刑事事件/行政事件とは」「裁判官/検察官/弁護士は何をする人」「訴訟/調停/交渉とは」といった基本的なことをわかりやすく説明していただきました。
 後半は「仮想Q&A」。過去の事例に基づいて仮想の質問を作成して、それについて永野弁護士に法律的な見方とその解説をしてもらうというもの。会社側の知る権利と従業員のプライバシー、感染リスクを法律的にどう捉えるか、婚姻関係のないパートナーシップ、債務整理などといった現実的な課題を仮想事例解説というかたちで、分かりやすくかつ踏み込んでお話しいただきました。

[仮想Q&A]
Q1「現在、サラリーマンとして勤務しています。何度か入院をしたり、体調不良が続いています。職場から診断書の提出を求められたりしました。主治医に配慮ある記載で書いてもらい、難なきを得ています。勤務先には、本当の病名を伝えないといけないのでしょうか?」
Q2「最近感染がわかりました。過去に性行為があった人のなかで、可能性があると思われる相手に感染を知らせました。非常に拒否的な反応が返ってきました。知人の陽性者から、相手に受け入れられたという話を沢山きいていたので、とても驚いています。『もしも、自分の感染が判明したら、損害賠償を請求する』と迫られました。自分にはそのような義務があるのですか?」
Q3「パートナーとは、結婚も養子縁組もしていません。自分の具合がわるくなった時の病院の面会はどうなるのでしょうか。また、もしもの時にパートナーに何かを残すことが可能でしょうか?具体的な方法について教えてください。」
Q4「いろんな借り入れが重なって、もうどうにもならない状況になってしまいました。銀行系のカードなども借り尽くしてしまい、サラ金などにも、そろそろいかないと支払いが難しくなってしまいそうです。こういう事って、どこで相談にのってもらえますか?」

 最後に、実際に弁護士に相談をするにはどうしたらいいか、費用や、電話相談などについて具体的な情報もありました。頭の整理と、役に立つ情報を得ることができ、充実した2時間の勉強会となりました。(報告:矢島)

★正直なところ、今すぐ弁護士の方に相談すべき困ったことがなかったのですが、近い将来きっと困ったことが発生するのではないかという漠然とした不安があったので、参加させていただきました。私は法律の知識はまったくなく、弁護士の方は遠い存在のように思っていましたが、私たちの目の高さにたった丁寧でわかりやすい説明で、たいへん身近に感ずることができました。
 たった2時間でしたが,生島さんがいかにもありそうな(私たちが聞きたそうな)ことを題材にしてくださったので、短時間で盛りだくさんの内容を学ぶことができました。内容の濃い,充実した2時間でした。
 今後、困ったときにはどこに(だれに)相談すればよいかを具体的に紹介してくださったので、大変心強かったです。でも、本来なら,相談しなければならいような困ったことが発生しないのが一番よいのでしょうね… 永野先生、そしてぷれいす東京のスタッフの皆さま、ありがとうございました。(TH)

★「弁護士と話そう」という名目で僕がどんな思いで参加したのでしょうか。僕が参加したきっかけは、ある事がきっかけで、どうしても弁護士の話を聞きたくて、参加しました。一体、どんな話があるのやら?という期待感と不安感をもって聞きましたが・・・。
 百間は一見にしかずという言葉がありますが、参加したことによって、まさにその通りだと思いました。自分だけだ!と思っていた悩みは、皆の共通の悩みだと分かって、一人じゃないんだと改めて実感しました。
 弁護士がより詳しい情報を提供してくれた事によって、自分の視野が広がったというまでもありません。僕が、この「弁護士と話そう」に参加したことで、溢れすぎるほどの幸せをもらいました。「弁護士と話そう」を企画してくれたスタッフの皆さんありがとうございました。(真猿)


第1回 専門家と話そう 「歯科医と話そう」(2006年7月26日)
7/26に東京デンタルネットワーク代表の鈴木 治仁歯科医師をお招きして、9名が参加して行われました。

「歯が痛いんですがどうすれば?」 ryu
 告知を受けてもう3ヶ月が過ぎてしまった。最初は『俺の人生、もう終わりなのかな?』なんて、かなり悩んでいたりしていた。でも、病院の医師やぷれいす東京のスタッフの方々と、どんどん話していくうち非感染者の方々と変わりない日常を過ごせるんだと分かり・・とても安心した!
 ある受診日、主治医に『俺、歯悪いんですけど?どうしたらいいですかね?』と聞いたら、主治医の回答は『最寄の保健所に聞いて、教えてくれるから』。俺、『ハイ。聞いてみます!!』でその日の治療終了。
 まあ保健所で紹介してもらって歯科医院に行ければいいんだけどね・・・・などとあまい考えだったのだが、現実は厳しいものだった。それで、7月26日ぷれいす東京主催の『歯科医と話そう』に参加してみました。
 まず先生からのお話しがありそれが・・・・かなり熱い先生で、山下真二、村野武範の熱血先生ばり!話しが横道にそれましたが。
 結果、話の内容をまとめると、HIV患者に対する現状はかなり厳しい。HIV患者を治療する歯科医の数もきわめて少ない、保健所では紹介してはくれないのも分かりました。単純に考えて、歯科医の治療器具って都度滅菌しているわけだから、私達を治療しても他の人達には感染しないと思うんだけど・・・?
 先生のお言葉で印象的だったものは、開業歯科医の多くが『自分の身を守りたい』『HIV患者を受け入れてると一般の患者が来院しなくなる』だそうです、だからなんだ!
 でも先生は院内にも「HIV患者治療します」のポスターを張り、他にも受け入れてくれる治療院を増やそうと努力してくれてます。今後、もっと増えてゆく感染者のためにも先生の惜しみない努力は歯科医師会や国を動かすものとなると信じてます。
 俺は『プロジェクトX』創りたいくらい感謝しています。

「かかりつけの歯科医を見つけたいけど」 Tommy
歯が痛くて歯医者さんにみてもらう前にかかりつけの歯医者さんを見つけたいと思い、ACCの担当医に相談したのが半年も前のこと。しかし、実際に歯に痛みを感じない現在、あの歯科医院の独特なニオイと背筋が凍りつくドリルで歯を削る音からは、距離を置いてしまっているのが現実です。多分それ以上に自分自身がHIV感染者であることを説明することのワズラワシサ − そのことを考えると「マー、いいや! 今痛くないし、どうにかなるだろう!」と甘く考えています。結局、今度痛くなったらみてもらえばいいや!というのが正直な気持です。今回のセッションを拝聴させていただき、生涯にわたりアドバイスをいただける歯医者さんを見つけたいと考えていますが、いつのことになるやら? !

「ネストの学習会を終えて」
東京HIVデンタルネットワーク代表/鈴木歯科クリニック 鈴木 治仁

 ネスト学習会「歯科医と話そう」にてお話をさせていただきありがとうございました。
 歯科医療では、診療拒否と歯科でのカミングアウトの問題があります。歯科医師、患者、お互いの相互理解と信頼関係に基づいた歯科医療であるべきと考え、陽性者であろうが高血圧、心臓病などを抱える患者さんであろうが、健康な人であろうが、何ら変わりなく歯科医療がなされるべきである、と考えています。その点で今回の学習会では、ひざを交えてざっくばらんに歯科医療に関してお話できましたことは、有意義であったと思っています。
 参加できなかった皆さんに、「かかりつけ歯科医を持ちましょう」と提言します。急に歯が痛くなったとき、理解ある歯科医を探すのは大変です。検診でも、歯石を取ってもらうのでも何でも良いですから、何でもない時にでも歯科医院を訪れ、自分に合ったかかりつけ歯科医を探しておくことが重要です。またお会いしましょう。